筆者の経歴や小説に対する思いなど
2000年頃、初めてパソコンを手にしました。当時は誰もが当たり前に使う道具ではなく「これで何ができるのだろうか」と試行錯誤していました。仕事で使うのであれば職場にPCはあります。自宅に用意したのだから……せっかく手に入れた道具を、ただの機械として終わらせたくない。
そう思った私は、一つの選択をします。それが「小説創作」でした。
自分の頭の中にあるイメージや出来事を言葉にして形にする。その作業は決して簡単ではありませんでしたが、同時に、これまでに感じたことのない面白さと奥深さを持っていました。振り返れば、このときの経験が、私にとっての文章表現の原点となっています。
当時、インターネット上には小説を書くことに興味を持つ人たちが集まる場所がありました。私はその中の一つ「作家たちの夢束」というコミュニティに参加しました。そこでは、年齢も職業も異なる人たちが、それぞれの作品を持ち寄り、互いに読み合い、率直な意見を交わしていました。
自分では気づかなかった弱点を指摘される時もあれば、思いがけない評価を受けることもありました。時には厳しい言葉を受ける場面もありましたが「より良い作品にしたい」という共通の思いがありました。その空間は、単なる趣味の集まりではなく、小さな創作の学校だったと記憶しています。
その作家たちの夢束で学んだのは、単なる文章の書き方ではありませんでした。「人に伝わる文章とは何か」「物語として成立させるためには何が必要か」――そうした本質的な視点でした。その活動の一つの形として、有志によって同人誌『作家たちの夢束』が制作され、作品として世に出される経験も得ることができました。
やがて小説そのものだけでなく「文章が持つ力」に強い興味を抱くようになります。文章はただ情報を伝えるものではなく、人の心を動かし、行動を変え、ときには人生の選択にまで影響を与える力を持っています。その可能性に惹かれた私は、表現の場を小説からウェブサイトへと広げていきました。
しかし、人生は創作だけに集中できるほど単純ではありません。仕事を優先しなければならない時期もありました。私生活に向き合う時間も必要でした。小遣いに不自由しない時期を経験した後、失敗から学ぶ経験も数多くありました。
転換期は失敗の始まりでした。
そうした中で私は、ファイナンシャルプランナーや宅地建物取引士といった分野の知識を身につけることになります。お金や住まいといった現実的な問題に向き合うことで「人の人生とは何か」という視点を、これまでとは違う角度から深く考えるようになりました。
この経験は、小説とは一見無関係に思えますが、実際には「人を描く」という意味で大きな財産になっています。そして今、65歳という一つの節目が近づく中で、私は再び小説創作と向き合う決意をしました。
若い頃に仲間たちと語り合い、試行錯誤を繰り返しながら身につけた「小説の書き方」は、時間が経っても消えることはありません。それどころか、人生経験と重なり合うことで、より深く、より現実味のあるものへと変化していることに気づきました。
このサイトでは、あの頃に学んだこと、そして今だからこそ伝えられることを整理し、体系的に公開していきます。小説を書いてみたいと思いながらも、何から始めればよいのか分からない方。途中で手が止まってしまい、最後まで書き切れない方。自分の人生を物語として残したいと考えている方へ。
特別な才能がなくても、小説は書くことができます。必要なのは、ほんの少しのきっかけと、続けるための考え方です。私のこれまでの経験が、あなたが最初の一行を書くための後押しになれば、これほど嬉しいことはありません。あなたの物語を、ぜひここから書き始めてください。
私の経験が、あなたの一歩につながれば幸いです。記述 2026年4月15日
